英国政府は2025年10月14日、Skilled Workerビザ申請に必要な英語力レベルをB1からB2へ引き上げると発表しました。新ルールは2026年1月8日以降の新規申請から適用され、企業の人事採用スケジュールに影響を及ぼす可能性があります。
今年は5月12日発表の移民白書(Immigration White Paper)から約2か月後の7月22日には申請に必要な技能レベルの引き上げが実施され、これまでにないスピード感をもってインパクトの大きなルール変更が実施されています。
新しい英語力レベルの条件は新規でSkilled Workerビザを申請する場合に適用されるため、既にSkilled Workerビザを保持している場合の延長申請は対象外となります。
しかし、今回の変更は移民白書で明らかになった厳格化のひとつでしかありません。
今回は10月14日に発表された英語力テストの変更と今後予定されている変更についてお伝えいたします。
今回の変更概要
2026年1月8日以降、新規のSkilled Workerビザの申請には英語力B2レベルが求められます。現行のB1レベルより一段高い要件となり、英語力を証明するためにテストを受験しなければならない申請者にとっては追加の準備期間が必要になることが予想されます。
この新条件は、既にSkilled Workerビザを保持している方の延長申請には適用されません。しかし、注意したいのは他のビザカテゴリからの切り替え申請です。
例えば現在はYouth Mobility Scheme(YMS)ビザを保持して働いており今後Skilled Workerビザへの切り替えを予定しているなど、今後6か月間ほどの間で申請を予定している方は、申請スケジュールを慎重に見直す必要があります。
とるべきアクション
これからSkilled Workerビザの申請を控えている方は、雇用先であるスポンサーと現在の準備の進捗状況・スケジュールを今一度確認しましょう。
ビザ申請では申請日のルール・条件にもとづいて審査されます。
まずは英語力の証明をどのようにしていくのか、条件を満たすためにテスト受験が必要かどうかを明確にする必要があります。テスト受験が必要な場合は、雇用先のビザ申請スケジュールと自身の受験スケジュールを確認しながら着実に準備を進めていきましょう。
雇用先と確認した結果、もしビザ申請スケジュールが2026年1月以降になることが予め分かっている場合は新しい条件であるB2レベルに照準を合わせて早めに受験準備を進めておくことも有益です。
今後予定されている変更 (※2025年10月14日時点)
10月14日に変更が発表されたルール変更を含め、今後就労ビザに関して予定されている変更点は以下のものです。今後の予定や傾向を知っておくことは今後の選択肢や計画を検討していく上で大切です:
【Skilled Worker】
• 英語力の条件をB2レベルに引き上げ(※2026年1月8日から実施決定。現行ルールではB1レベル)
• 永住権申請のための期間を10年に引上げ(※現行ルールでは5年。現在までのところ実施時期や詳細は未定)
【帯同家族、Global Business Mobility】
• 帯同家族(配偶者)への英語証明A1レベル導入予定(※未定)
• すべてのビザ延長申請でA2以上の英語証明を求める見込み
※本記事記載情報は2025年10月14日執筆時点
早めの準備を
ビザ申請手続きは、3か月前を目安にできるだけ早い段階で始めましょう。
必要書類の収集や要件の確認、明確な計画の立案を早期に行うことで、ストレスや遅延を大幅に減らすことができます。
また移民法は頻繁に変更されるため、予定していた申請が突然の法律変更で計画通りに進められないという事態が発生してしまうこともあります。
そのような場合でも、積み上げてきた準備があれば状況にあわせてスケジュールを前倒しする、あるいは計画を立て直すなど落ち着いて対処することができます。
また、昨今の政府の移民法の引き締め強化の動向から、これまで以上に法律が複雑になり、さらに変更が頻繁に行われています。
また法律変更のアナウンスから変更実施までごく限られた時間しか与えられないということもよくあります。
ご自身で情報収集することも大切ですが、このような状況では情報が錯そうし正しい条件を見極めることが困難で、不安を感じられることもあるでしょう。
信頼できる情報と専門的な助言に基づいて判断することが、安心して行動するための最善の方法です。多くの方々・企業が専門家からのサポートを受けることで課題を乗り越えてビザ申請・取得をしています。
IMMIGRATION.UKはイギリスのイミグレーションに特化した専門家として各種ビザ、永住権、市民権取得の申請について個人・法人を問わず幅広いビザ申請・永住権取得のサポート実績があります。
様々な業種のビジネス・企業のスポンサーライセンス、企業間異動者あるいは現地採用者ビザを始めとする就労ビザをはじめ多くの新規ビザ・延長申請、数千件のイギリスのイミグレーションに関するアドバイスとサポートを提供してまいりました。
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