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ビザ情報

イミグレーションルール変更の落とし穴 ―申請条件の見極めについて―

イギリスでは先月の首相辞任を受け、7月末の新党首選出に向けて選挙選が進んでいます。

EU離脱問題を筆頭に近年稀に見る混沌とした状況の中ではこれまでにない強く明確なリーダーシップが求められ、新党首によって現状打開のための推進力が生まれることが期待されています。

イミグレーションに関わる問題は国政に密接しており、その時々の状況に応じて変更・改定が繰り返されます。

今月は投資家ビザの延長を例にとってイミグレーションルール変更時の留意点についてお伝えいたします。

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ビザ申請時に適用されるイミグレーションルールは、申請日の時点のルールが適用されるのが大原則です。

例えば今日、ビザ申請に必要な手続きをすべて完了させたとしましょう。ところが急にイミグレーションルール変更となり、明日から申請条件が変更されることになったとします。

必要な手続きを終え申請したとはいえ、ルール変更となるのが明日では、審査の結果がでるということはない状態です。

しかし、このような場合でも、ビザ申請においては申請手続きを完了した時点(申請日)のルールが適用されますので、たとえ審査中にルールが変更されてしまったとしても、審査の基準となる申請日に有効であったルールのもと審査が進められます。

ところがなかにはそうでないケースもあるため、十分な注意が必要です。それはほとんどの場合、延長申請のケースとなります。

ここで投資家(Tier 1 Investor)ビザを例に挙げてみましょう。

2019年6月現在、Tier 1 Investorビザを申請する場合は、最低投資額として200万ポンドが必要となります。この投資金額に関する条件は、2014年11月6日から実施されています。

初回のTier 1 Investorビザの申請を2014年11年6日以降にした申請者は投資額として200万ポンドを条件づけられ、その後の延長申請の際にもこの必要条件は変わりません。

2014年11月6日に初回申請を200万ポンドで行い、その後の延長申請を2017年11月に行ったとすると、求められる投資額は申請時と同額の200万ポンドとなり、この金額に変更はありません。

では、2014年11月6日以前はどうであったかというと、必要投資額は100万ポンドが最低金額としての条件でした。

2014年11月5日に初回申請した投資家の場合、必要投資金額は申請時のルールが適用されるため、100万ポンドとなります。2014年11月6日はその金額が200万ポンドに引き上げられるというルール変更がありましたが、この投資家の審査にはその影響はなく、申請時の条件である100万ポンドの金額を満たしていたのでその申請は無事に受理されビザが許可されました。

その後、延長申請を2017年に行った際には2017年当時のルールは投資金額の基準は200万ポンドとなっているので、「申請時のルールが適用される」という前提から考えると、延長申請の際には200万ポンドが必要条件とされるのではないかと考えられますが、この場合はそうではありません。

この投資家の場合は初回申請をルール変更前の2014年11月5日に行っているため、投資金額は100万ポンドが基準額となりその後の延長申請の際にも、この金額が基準額として適用されます。そのため延長申請時の時期を問わずに初回申請時の投資金額の100万ポンドの基準がそのまま適用されます。

さらに何等かの理由で例えば2019年6月に延長申請をする必要があったとしても、基準日である初回申請時の2014年11月5日時点での条件である100万ポンドの基準額を満たしていれば延長申請することが可能です。

このように、申請によっては前回の申請時に適用された条件を持ち越すことができる場合があります。

ところがここで十分注意が必要となるのが、Tier 1 Investorの例のように申請時に条件を持ち越すことができる場合と、初回申請時の条件を延長の際に適用できないものがあり、時にはこの見極めが非常に難解で見落としてしまうこともあるということです。

さらに先に挙げたTier 1 Investorの延長申請時の投資金額の条件の持ち越しについては、最近のルール改定に伴い、今後2020年4月6日以降はできなくなりました。

このような変更はイギリスを取り巻く政治・経済状況に影響され、時には唐突とも思えるようなタイミングで実施されることもあるため、知らずに申請してしまうというようなことになりかねません。

今回ご紹介した例はほんの一例です。イミグレーションルールはビザカテゴリによって条件が異なり、また申請者の状況によって条件の分岐が複雑になり、見極めが非常に難しくなるケースも出てきます。

ASTONS LAWはイギリスイミグレーションの専門家として投資家、起業家などのビジネスビザの分野はもちろんのこと、結婚、EEA関連から永住権・市民権の申請まで豊富な実績があります。

市場やビジネスを取り巻く状況が刻々と変化するように、イギリス移民法もまた頻繁に改定され、難解で複雑さを増していく状況の中にあります。そのため些細なことでもビザ申請・延長の際には専門家のもとで最新情報と状況確認をすることは不測の事態を未然に防ぐことにつながります。

イギリスビザに関するご相談、ご質問はどうぞお気軽にお問い合わせください。

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