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UK VISA TODAY

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イギリス情勢

Eゲート入国 ―イギリス入国審査について知っておきたいこと―

イミグレーションシステムの改善・効率化の流れを受けて、2019年5月より日本を含む非EEA7か国のパスポート保持者に対してパスポートEゲートの利用が開放されました。

Eゲートは効率的なシステムで大変便利なものですが一方で見落とされがちなリスクも孕んでいます。

今月のUK VISA TODAYでは、Eゲートについて後々リスクとなりえるようなこと、また利用にあたって知っておきたいことをお伝えいたします。

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パスポートEゲート(以下Eゲート)は、空港等でイギリス入国時に利用できるシステムで、パスポートスキャンと人証を行い、入国審査を自動で完了させるものです。

Eゲートはイギリスでは2008年から導入されています。しかし、利用できるのはイギリス・EEA国籍者に限られており、尚且つICチップ埋込のICパスポートの場合のみでした。

その後、ICパスポートの普及・利用拡大とイギリスビザのICチップ埋込型カード化が定着したこともあり、非EEA国籍者であっても一定の条件を満たし申請登録をすればEゲートを利用できるRegistered Travellerシステムが導入されました。

そして2019年5月20日以降は、これまでの利用者枠に加えて非EEA国籍者もEゲートの利用が可能です。ただし、対象となる非EEA国は、現在7ヵ国に限定されており、アジアでは日本、韓国、シンガポール、その他にオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、そしてアメリカ合衆国が対象国となっています。

Eゲートにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

利用者にとって第一に挙げられるのは、イギリス入国がスピーディになる、ということでしょう。

長時間フライトを経てイギリスに到着した後、入国審査ゲートの長蛇の列を目にして旅の疲れが倍増した、と多くの非EEA国籍者が経験しているのではないでしょうか。

対面による入国審査では入国カードの記入・提出、審査官による審査と時間がかかり、待機時間の発生原因となっています。

一方、Eゲートでは対面審査が省略され非常に効率的です。しかし、イミグレーションの専門家の観点からはこのシステムに懸念があることも否めません。

それは、Eゲート入国は入国日を示すものがパスポート上で確認できる形で記録されない、という点です。

例えば、観光でイギリスに入国したとします。この場合一般ビジターでの入国となり最長6ヵ月まで滞在可能です。この最長6ヵ月というのは入国日から起算して6カ月、という意味で、滞在可能期間を起算する日付は入国履歴で判断します。

初めての入国であれば、入国したその日が起算日となります。しかし、直近12ヶ月の間にイギリス入国の履歴があった場合は滞在可能期間の計算に注意が必要です。

この例を仮にAとしましょう。Aは2019年8月1日から2か月間イギリスに滞在する予定で入国しました。しかし2018年10月1日から5ヶ月間イギリスにビジターとして滞在していた履歴があります。

Aは12ヶ月のうち既に5ヶ月間ビジターとして滞在しているので、2019年8月1日の再入国時の滞在可能期間としてはその日から6ヶ月とすることができます。しかし、ここに注意が必要です。

観光ビザのみでこのAの例のように連続して滞在していたり、短期滞在であっても頻繁にイギリスへの再入国を繰り返すことは、観光以外の目的でイギリスに滞在しようとしているとみなされ入国を拒否される可能性があります。

イミグレーションでは入国日が重要な意味を持ちます。しかし、Eゲートを通過して入国した場合、目に見える形でパスポートに入国日が記録されないため、入国者が滞在可能期間の算出を正しく管理することができず、それが結果的に不法滞在につながってしまった、といった事態は十分に起こりえるでしょう。

また不法滞在ではなくとも違法就労となってしまうケースも考えられます。

例えば、入国前にビザを取得していたけれども事情によってビザの有効期限「前」にイギリスへ入国しなければならなくなったとします。このケースをBとしましょう。Bは就労可能なビザを取得していました。

ビザ有効期限前ではあるもののEゲートを利用してスムースに入国することができたので、Bは特に疑問をもつことなくイギリスでの勤務を開始していました。

このケースには何の問題もないように思えますが、実はこれは違法就労として法律違反となってしまうのです。

Eゲートは利用者の入国をシステムで判断し、承認された入国者には入国許可を自動で付与します。入国者がビザを保持している場合はビザ保持者として識別しますが、Bのようにビザの有効期限外の入国は一般ビジターの入国と判断してしまいます。

イギリスで就労するには就労を可能とするビザの取得が必要となり、ビジターステイタスでの就労は違法です。そのためビジターとして入国したBの就労は違法となり、本人にも雇用者(スポンサー)にも厳しいペナルティが科せられます。

AやBはあくまで例としてご紹介しましたが、いずれもEゲートの利用によって十分に起こりえることであり、その代償として課せられる罰則は厳しく、ダメージが大きいものです。

このように、Eゲートは便利であるがゆえに見落とされがちな点があることも確かでしょう。必要以上に過敏になる必要はありませんが、基本的なことを知っておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。

Eゲートの利用にあたって理解しておきたい事項は以下の点です:

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・ビザの有効期限外の入国は、一般ビジターステイタスとなる

・ビジターとして頻繁に出入国する予定がある場合は、Eチケット等を保管しておくなどして後から出入国履歴を確認・計算できるようにしておく

・短期学生あるいは商用ビジターとして滞在する場合は対面審査で入国する

・Eゲートの利用は12歳以上から可能(※12歳から17歳の
利用には成人の同伴が必要)

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上記以外にも注意しなければならない特定のケース(EU国籍者の家族として初めて入国する場合など)がありますが、利用にあたって事前に内務省のWebサイトを確認しておくことを強くお勧め致します。

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