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ビザ情報

2021年 新・就労ビザ始動-EU離脱・移行期間終了後の就労ビザSkilled Workerについて

遅延や変更などコロナウイルスの影響が残りつつも、イギリスビザの申請システムは正常化に向けて動き出しています。

イギリス国内のビザセンターは場所を制限しつつ6月1日以降、また東京・大阪のビザセンターも6月22日からビザ申請のプロセスが再開されました。

そんな中、EU離脱とその移行期間の終了後である2021年1月から実施される新イミグレーションシステム、特に就労関連カテゴリに関する情報が発表されました。新システム下ではより広範な職種が申請可能となり、雇用・就労の可能性が拡がるものとして期待できるでしょう。

本号では7月13日に発表された新システム下での就労ビザの中でも、現地採用者ビザに相当するSkilled Worker ルートについてお伝えいたします。

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Skilled Workerルート-EU離脱以降の現地採用者ビザ

2020年1月のEU離脱から1年間の移行期間を経て、来年2021年1月からは、これまでビザ申請を必要としなかったEU国籍者も含めた新たなイミグレーションシステムが実施されます。

その中で最も注目を集めているのは現行イミグレーションルールではTier 2カテゴリとして知られる就労ビザのカテゴリでしょう。

現在のTier 2ビザは、就労可能な職種レベルに大きな制限があり、例外があるもののほとんどの場合は大学卒業レベル以上と規定された職種のみが申請可能でした。また、給与に関する条件も年々上昇し、現地採用者カテゴリとされるTier 2 Generalでは最低給与基準額は現在£30,000となっています。そのためスポンサーである雇用主にとっても、またイギリスでの就労を希望するビザ申請者にとっても職種レベルと最低給与基準額の2点がビザ申請の壁となってしまうケースが発生してきました。

しかし、EU離脱によってイギリス国内の労働市場の状況がこれまでと大きく変わり、これまでの就労ビザ申請の壁を下げる必要に迫られたことから、新たに離脱・移行期間終了後の就労ビザシステムの構築へと至りました。

現行では現地採用者ビザとして知られるTier 2 Generalビザが、2021年1月以降は新しくSkilled Workerルートとして始動します。

新しいSkilled Workerルートでも、雇用主がビザのスポンサーとなるためには現行同様、Sponsor Licenceを保持していなければなりません。しかし、新ルートは雇用者にとってもビザ申請者にとっても従来のTier 2よりも柔軟かつメリットのあるものとなると見られています。

そこで本稿では新システム・Skilled Workerルートにおける主だった特徴を2点、これまでTier 2 Generalビザ申請の障壁となりやすかった1)職種レベル2)最低給与額、に絞ってをお伝えします(※企業内異動者(Intra-Company Transfer)については以下の変更点は該当しません)。

1)職種レベルの引き下げ

まず、Skilled Workerルートにおける特徴として第一に挙げなければならないのは、職種レベルの引き下げについてでしょう。

イギリスではあらゆる職業がRegulated Qualification Framework(RQF)に基づきレベル分けされており、現在の法律下では、Tier 2ビザを申請するためには原則的に就業予定の職種がこのRQFのLevel 6以上の仕事、つまり大学卒業レベル以上である必要があります(※例外としてShortage Occupation-需要が高いにも関わらず慢性的な人材不足のために早急な人材供給の必要に迫られている職業-と一部クリエイティブ職)。

2021年1月以降の新Skilled Workerルートでは、職種レベルがRQF Level 3以上、大学入学資格レベルであれば申請可能です。

RQF Level 3に引き下げられることで、これまでビザ取得が非常に困難であった小売店や美容サロン、ホテルなどのサービス業やレストラン等飲食業への従事者など、多くのイギリスでの就労希望者にビザ取得の機会が広がります。

また、スポンサーとなる雇用主にとっても、これまでEEA国籍者や永住権、配偶者ビザ、Tier 5 Youth Mobility Schemeなど雇用の制限がないビザを持っている場合などに限られていた職種にもビザ申請の可能性が拡がることで労働力確保が容易になることが考えられます。

2)最低給与基準額の緩和

次に挙げられるのは最低給与基準額の緩和です。

現行イミグレーションルールでは現地採用者カテゴリのTier 2 Generalの場合、最低給与基準額は£30,000と定められています。

さらに職種毎に設定されている給与額があり、職種で定められた給与額が基準額より高い場合は高い金額の方がビザ申請のための条件となります。例えば、セールスマネージャ職はRQF Level 6の職種ですが、給与額が£34,800/年と定められています。このような場合は後者の£34,800を雇用主が給与として保証しなければビザ申請の条件を満たすことができません。

2021年1月のSkilled Workerルートでも、最低給与基準額と職種毎に定められた給与額という構造はそのまま持ち越されています。構造はそのままに、最低給与額の基準額が三段階に分かれていることが最大の特徴となります。

医療ヘルスケア・教育関連の職種以外では、最低給与基準額はA) £20,480以上、B) £23,040以上そしてC) £25,600以上の三段階に分類され、申請者の所得が基準額のどのレベルに当てはまるのかが大きなポイントになります。次に職種毎の基準額(Going Rate)を満たしているかどうかを判断します。

C)£25,600にカテゴライズされる場合は職種毎の基準額Going Rateを上回る給与であれば条件を満たすことができます。さらに、Skilled Workerルートの特筆すべき点としては給与額がB)あるいはA)に当てはまる場合でも、補足項目を満たすことでビザ申請が可能となるケースも出てくることです。

Skilled Workerルートでの給与基準額を見定めることは、少々複雑なように見えますが、現行の画一的な条件に比べると緩和され、また柔軟になったと言えるでしょう。

Skilled Workerルートの申請には本稿で取りあげた職種と給与額以外にも、これまで同様に英語力の証明などの条件を満たすことが求められています。しかし、職種レベルと基準給与額の引き下げ・緩和という二点だけを見ても、2021年以降イギリスでの就労機会が拡大することを期待できるといえるでしょう。

ここまでお伝えしてきたTier 2 Generalの2021年版となるSkilled Workerルートの特徴には企業内異動者(Intra-Company Transfer)は含まれていません。2021年からの企業内異動者ルートにおいては5年以内のビザ保持者については12か月のクーリングオフ期間の適用が免除される等、より柔軟なものになると発表されています。

2021年移行期間終了以降の就労ビザであるSkilled Workerルート、Intra-Company Transferルートはどちらも申請者と雇用主であるスポンサーにとって魅力的なものになるであろうと期待を寄せられています。

新システム下でのビザについては9月から申請可能となる予定です。

新しい就労ビザに関するご質問や申請準備、申請スケジュールなど、イギリスビザに関するご相談は、専門家である弊社までどうぞお気軽にお問い合わせください。

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