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イギリス情勢

EU離脱後のUKイミグレーションの行方(1)- EEA国籍者とその家族のステイタス-

本年619日から始まったEU離脱交渉。828日からは第三回目の交渉が開始されています。

EU発足以来のことであり、離脱がどのように実現されていくのかは全く先が見えない中、イギリス側、EU側双方の思惑が錯綜し、イギリス政府にはかなりの重圧がのしかかっています。

特に国民投票でも一番の争点となった移動の自由(Free movement)、つまり移民の問題に関しては、厳しくなる一方の移民削減政策ともあいまって、さまざまな憶測・推測をよび人々の不安を駆り立てている状況です。

この交渉プロセスは二段階を経て行われていくことになっており、現在はその第一段階として、イギリスに住むEEA国籍者の権利とEEA圏にすむイギリス国籍者の権利について等が話し合われています。

そんな中、先ごろイギリス内務省からEU離脱後のイギリス人およびEEA国籍者の権利に関する立案書が公開されました。

そこで20178月号では、このEU離脱後のイギリスおよびEEA国籍者の権利に関する立案書ついてお届けします。

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EU離脱後のイギリスおよびEEA国籍者の権利に関する立案書の中で特に重要な点は、次の二点に集約されるでしょう。

まず一点目はEUから正式に離脱した後は人の移動の自由(Free Movement)を廃止するということ、そして二点目は現行のEEA規定下で発行されたイギリスに滞在するEEA国籍者に対するイミグレーションステイタスを証明する書類は全て無効とする方針であることを示した、ということです。

EUに加盟している現在、イギリスは加盟国としてEU市場にモノ、サービス、資本そして人の移動の自由を保障する義務があり、このEEA規定の下では、EEA国籍者は特にビザや滞在許可書などを申請する必要もなく加盟国に滞在することが可能です。正確な数値をはかることは大変難しいとされていますが、一説ではイギリス国内に360万人ともいわれるEEA国籍者が就業や起業、就学などで滞在しています。

しかし、2016年6月の国民投票によってイギリスのEU離脱が決まると国内の多くのEEA国籍者の間に不安が広がり、滞在権利を法的に証明するために多くの人たちがイギリスの永住権であるPermanent Residency の申請を急ぐ動きもでてきました。

ところが、立案書の中で、EU離脱後は新たにEEA国籍者の権利に関する法整備を行うため、離脱後にEEA国籍者がイギリスに滞在するためには改めて新法制下においてビザあるいは滞在のステイタスを証明する必要がでてくるであろうことが示されています。これは名言を避けてはいるものの、今までに申請されたEEA国籍者のPermanent Residencyやその他のイミグレーションステイタスを示す書類は意味をなさなくなると捉えることができるものです。

ただし、このような大きな法改定・措置には移行期間を設けるとも言及されています。移行期間中は、新法制に則って新たに手続きをする必要がでてくるとはいえ、その期間中は現在のステイタスを保持できること、そしてその移行期間終了後は必ず新法制下での滞在許可を得る必要があると述べられています。

このことは、EEA国籍者はもちろんのこと、EEA国籍者の家族として滞在している日本人をはじめとする非EEA国籍のイギリス滞在に大きな影響を及ぼすことが予想されます。

EEA国籍者の家族で非EEA国籍者がイギリスに滞在するためには、EEA Family permitやResidence CardあるいはPermanent Residencyなどといった滞在許可を申請し取得することになりますが、これらの申請はすべてEEA規制下によって審査されています。

そのため、今回発表された立案書のように、EU離脱後にEEA国籍者が新法制下で滞在証明を得なければならないということになれば、同時にその家族もまた新たに滞在許可を申請しなければならないということを意味しています。

EU離脱後の新法への移行期間は約2年設けられるであろうといわれていますが、現在イギリス国内に滞在しているEEA国籍者の数をみても、その間に生じるであろう混乱や影響が甚大なものになるであろうことは容易に予想されます。

この立案書の内容から、現時点でEEA国籍者はPermanent Residencyなどそのステイタスを証明するものを取得しておく必要はないと思われます。しかし、非EEA国籍者の家族とともに離脱後のイギリス滞在を考えている場合は、離脱前であっても申請可能であればPermanent Residencyを申請しておくことも、移行期中の混乱を少しでも和らげるためのひとつの方策として考えられるでしょう。

EUへの正式離脱通知から5か月。未だ交渉には大きな進展もなく引き続きイギリス国内は不透明な状況が続いています。

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