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イギリス進出ビジネスへの新たな支援制度、始まる – UK Expansion Workerビザ:最新動向(2026年版)

2026年6月、イギリス政府は海外企業による英国進出や高度人材の誘致を支援する新たな施策を発表しました。

今回発表された施策には、一定の条件を満たす企業を対象としたビザ費用補助制度や、イギリス進出を目指す企業向けの支援プログラムが含まれています。

これらの施策は、イギリス政府が引き続き海外からの投資や事業展開を積極的に促進していることを示すものといえるでしょう。

そこで今回は、イギリス進出を検討する日本企業が知っておきたいUK Expansion Workerビザの概要と、新たな施策のポイントをご紹介します。


UK Expansion Workerビザとは

UK Expansion Worker(UKEW)ビザは、イギリスに拠点を持たない海外企業がイギリス市場への進出を目的として、従業員をイギリスへ派遣するためのビザルートです。例えば、

・日本本社がイギリスで法人の設立を計画している

・イギリスで営業活動や市場調査を開始したい

・現地拠点立ち上げのために駐在員を派遣したい

といったケースで利用されることがあります。

このルートは、企業がイギリスでの事業基盤を構築するための初期段階で活用されるため、イギリス進出を検討する企業にとって重要な選択肢のひとつとなっています。

また、自社の人員をイギリスへ派遣するという性質からUKEWは企業間移動のひとつのルートとして、いわゆる駐在員ビザとして知られるSenior or Specialist Worker(旧:Intra-Company Transfer)と同じ、Global Business Mobilityルートのひとつに位置づけられています。

どのような企業に向いているのか

UKEWビザは、次のような企業に適しています:

・日本に本社がある企業

・イギリス法人の設立を検討している企業

・イギリス市場への参入を計画している企業

・将来的にイギリスでの事業拡大を視野に入れている企業

一方で、すでにイギリスで事業を展開している企業やイギリス法人を保有している企業については、別の就労ビザルートが適している場合もあります。

UKEWに新たな支援制度:Fast-Track Referral Process

今回、イギリス政府は、海外企業によるイギリス進出を促進・支援する取り組みの一環として、Office for Investment(OfI)による Fast-Track Referral Process を発表しました。

この制度は、一定の条件を満たす企業について、UK Expansion Worker Sponsor Licence の申請手続きを支援することを目的とし、UKEWビザ申請に必要なUKEWスポンサーライセンスにおいて通常約8週間の審査を約10営業日での処理を目指すものです。

ただし、この制度はすべての企業が利用できるものではありません。

対象となる企業には一定の要件が設けられており、一般的な中小企業やスタートアップ企業が自動的に利用できる制度ではない点に注意が必要です。

もっとも、Fast-Track Referral Processの対象とならない場合であっても、日本企業にはUKEWルートの利用において一定のメリットがあります。

日本とイギリスは日英包括的経済連携協定(UK-Japan Comprehensive Economic Partnership Agreement:略してEPA)を結んでおり、日系企業のイギリス市場へのアクセスを推進するための制度が整えられています。

EPAがあることによって、UKEW申請時、日本企業であれば提出書類のうち一部を省略することができる、申請条件のひとつである事業設立年数条件を引き下げられる、など、日本企業のイギリス進出をイミグレーション・ビザの面から促進するための措置が取られ、日本企業のイギリス進出を後押ししています。

日本企業のイギリス進出

Home Officeが公表しているビザ統計データによると、2022年4月の制度開始以降、UK Expansion Workerルートは継続的に利用されており、日本国籍者は確認できる国籍別データの中で上位グループに位置しています。
※Home Office:occupation-soc2020-visas-datasets-mar-2026より

日本企業がイギリス進出を考えるうえで、無視できない要素のひとつが為替です。

昨今の物価高・エネルギー高に加えて為替への懸念が高まっています。円安は企業にとって慎重にならざるを得ないリスクではあるものの、一方では、日本国外からの需要を後押しする大きな要因にもなり、またイギリスなど日本国外で得た外貨をより多くの円に転換できるという側面もあります。

統計データが日本国籍者の継続的な利用実績を示していることは、UKEWルートが日本企業にとって実務上活用されている制度のひとつであることを示していると言えるでしょう。


イギリス政府は、海外企業による投資やイギリス進出を引き続き重視しており、今回の発表もその方針を示すものと考えられます。

このことは、UKEWルート開設の2022年当初はUKEWビザでイギリスに送り込める従業員の数は最大5名までであったものを2025年7月には最大10名に拡大されたことにも表れているでしょう。今回のFast-Track Referral Processの導入も、海外企業によるイギリス進出を後押ししようとするイギリス政府の姿勢を示すものと考えられます。

すべての企業が新たな支援制度の対象となるわけではありませんが、日本企業にとってUK Expansion Workerルートは現在もイギリス進出を実現するための有力な選択肢です。

UK Expansion Workerルートを利用する場合、まずスポンサーライセンスの取得が必要となります。

実務上は、ビザ申請そのものよりもスポンサーライセンスの申請・取得の準備に多くの時間を要するため、事業計画やイギリス進出のスケジュールを踏まえて早期に準備を開始することが重要です。

そのため、駐在員派遣の計画が具体化してから動き出すのではなく、イギリス進出の構想段階から必要な手続きについて確認しておくことをおすすめします。

イギリスのビザ・スポンサーライセンスに関するご相談、ご質問はぜひお気軽にお問い合わせください。

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